高齢者と便秘

現在の本邦では高齢化が著しいため、高齢者の方が増えており、それに伴い様々な症状を訴える人が多くなっています。

その中の一つである便秘について今回は取り上げたいと思います。

便秘というのは様々な要因が重なって起こりますが、多くは生活習慣やその人の腸の状態に依存することが知られています。
特に、高齢者は便秘が起こりやすくなってしまいます。

その理由は食生活と運動不足にあります。
歳をとると食が細くなり、便秘予防に必要な食物繊維の摂取量が絶対的に少なくなってしまいがちです。
さらに、食事を作るのがおっくうになり、自炊ではなく外食等が中心になることが便秘を助長します。
また、水分不足にもなりがちで、それは便秘のリスクを高めます。

次に運動不足についてですが、運動不足は腸の働きを弱め、便秘を引き起こします。
また、歳をとると、筋力も低下しますので、腸の働きはさらに弱くなってしまい、便は出にくくなってしまいます。

これらを踏まえて高齢者のための便秘対策を挙げるとすると、それは食生活の工夫と散歩などの運動です。
若者と同じような便秘対策は、かえってストレスとなりますので、自分の現状に見合った対策が最善とされます。

食生活ですと、一品は食物繊維が豊富なものを摂るとか、ヨーグルトなどの発酵食品を食べることで、腸内環境が整い、便通の改善が期待されます。
運動の場合ですと、散歩の距離を延ばしたり、ゲートボールなど体を動かす趣味を見つけてみたりすることで、腸の運動が活性化されるので、これも食事と同様、便通の改善が期待できます。

これらの対策をせず便秘は放っておくと、腹痛や食欲低下などをもたらすので、さらに便秘になるという悪循環になってしまいます。
少し取り組むのがめんどくさいと感じる高齢者の方もいらっしゃるかもしれませんが、便秘は大腸がんなど万病の元にもなることが知られていますので、よりよい老後を過ごすために便秘対策は必要不可欠だといえます。